なんやかんやで決勝戦まで来てしまった。
「くねくね大会グランプリ~今年の夏を制すのは君に決まってるじゃん!~スペシャル2020年秋大会第1次予選」の決勝まで来てしまった。
この大会ではより多くのブロックチェーンを食った方が勝利となる。
ならないこともある。
この決勝で見事勝利したら第2次予選に進むことができる。
ちなみにこの決勝の対戦相手は人間じゃない。
ケンジャ科ブヒーニャ目のゴルツェネ・ゲ・デバッガーである。
奴の武器は暗いところでもよく見える目。
しかし会場は煌々とライトで照らされている。
これは勝った。
勝利を確信した私は、早めに凱旋のブーケトスをしてしまった。
ここで事件が起こる。
そのブーケをネバディが燃してしまった。
「おいネバディ!何やってんだ!」
私はネバディにブチギレた。
「おえいjwkじょいけじゃい」
ネバディもまた、人間ではない。
そうこうしているうちに試合が始まりそうだ。
我々は会場を出た。
試合は駐車場で行われる。
おっと。
ゴルツネ・デ・ゲバッガーがもうブロックチェーンを食べ始めている。
これはいけない。
フライングである。
私は審判に「物言い」をした。
しかし聞き入れてくれなかった。
審判はドロー4を持っていたのであった……。
遅れて私もブロックチェーンを食べ始めた。
行者ニンニクをおかずにした。
この大会では行者ニンニクならいくらでも食べられる。
そして行者ニンニクの方がブロックチェーンよりも食べたときの得点が大きいのである。
つまりこの勝負、行者ニンニクの勝負。
そんなルールも知らずにゴルネツ・ゲ・バッガーはブロックチェーンを食べている。
おっと、ゴルネツが倒れた。
罠に引っかかったようだ。
それはブロックチェーンではなく、ブロックツェーンだった。
この勝負、勝った……!
いきなり目の前が暗くなった。
なんだこれ。
「あーっとここで『行者ニンニクモドキ』を食してしまったー・・・」
実況の声がうっすらと聞こえた。
「君は負けじゃよ」
目が覚めたら私は病院にいた。
「な、なぜですか!?」
「試合中に会場の外に出るのは反則じゃ」
「そ、そっかー」
これは盲点だった。
盲点すぎて、まるで盲点のようだ。
決勝戦で負けてしまったが、もはや悔いは無い。
もう二度と出ない。
二度と出ねぇ。
完