A「ネズミーランドだ~!」
B「やったやった~、ネズミーランド~!」
A「楽しむぞーっ!」
B「じゃあ、しりとりやろう!」
A「しりとり?」
B「うん」
A「なぜここで?」
B「楽しいから」
A「ネズミーランドでしりとりを?」
B「うん、楽しいから」
A「馬鹿じゃないの?」
B「え、だって楽しいところで楽しい事をやるのが一番楽しいでしょ?」
A「果たして今この空間で一番楽しい事がしりとりかい?」
B「しりとり」
A「ねぇ、まだ始めていいとか言ってないから」
B「なんでしりとりはダメなんだよ!」
A「しりとりは、ここじゃなくても、どこでもできるじゃん」
B「宇宙だと息が苦しいから出来ない」
A「そんな生身で宇宙行かないから」
B「ま、とりあえず始めよう」
A「なんなんだよ」
B「罰ゲームは、帰宅な」
A「帰宅!?」
B「帰宅」
A「金払ってここに来て、なんでしりとりやって帰んなきゃならないの?」
B「罰ゲームだから」
A「あー、そっかー。罰ゲームだからしょうがないねー」
B「じゃあいくぞ、『しりとり』」
A「えーと、『りんご』」
C『ゴム』
A「え、君は誰?」
B「ずっといたじゃん」
C「こんにちは。Bの知り合いです」
A「君、一言も喋らないでずーっとそこに立ってたわけ?」
C「はい」
A「Bの横暴を止めろよ」
B「まあまあ。『ムニエル』」
A「る? じゃあ、『ルール』」
C『ルビジウム』
A「何それ?」
C「元素です」
A「マニアックな所ついてくるねー」
B『ムニエル』
A「さっき言ったよね?」
B「いや、一番手だから」
A「は?」
B「しりとりは一番手が不利だろ?」
A「聞いたことねぇよ、そんなこと」
B「だからハンデとして、同じ言葉を何回も言える」
A「それズルくない?」
B「ハンデだから」
A「そっかー。ハンデだから仕方が無いかー」
B「だから、『る』」
A「る攻め食らってるなー。じゃあ、『ルクセンブルク』」
C『クロム』
A「何それ?」
C「元素」
A「また元素? で『む』?」
B『ムニエル』
A「ムニエル地獄じゃん。また『る』じゃん。えーと、『ルッコラ』」
C『ラジウム』
A「何それ?」
C「元素」
A「だよね、知ってたけどさ、君はなぜ一人で元素しりとりをしているのかい?」
C「自分の限界が知りたくて・・・・・・」
A「その君のチャレンジ精神のせいでBはずっと『ムニエル』って言ってるんだよ」
C「いいじゃないですか」
A「私が良くないんだよ・・・・・・」
B「えーと、『ムニエル』」
A「ほらね? 地獄のループでしょ?」
B「『る』だよ」
A「えーと、じゃあ、『ルーペ』」
C「・・・・・・」
A「ん?」
C「だめだ! 『ぺ』から始まる元素なんて無い!」
A「いや、元素じゃなくても・・・・・・」
C「俺の負けだ! くそーーー! うわあぁーーぁあぁーん!」
A「泣くなよ! 子供が引いてるぞ!」
C「うわあああーあーあーあーあーん!」
A「B、なんとか言ってやれ」
B「勝ってよかったー」
A「てめぇーっ!」
B「じゃあ、分かった。一人で帰れって言うのも酷な話だな」
A「そうだよ」
B「みんなで帰ろう」
A「いや、遊ばないんかいっ!」