僕は夢を見ていたのか。
あの夏。
友達と街を歩いた。
笑いながらおしゃべりをしていた。
途中、友達と喧嘩した。
でも結局次の日には仲直りしていた。
花火が上がった。
眩しいくらいだった。
夢のような世界だった。
あの夏。
夢を見ていた。
根拠もないのに、その夢を信じ込んでいた。
白昼夢だったのかもしれない。
夢に向かって頑張ったんだっけ。
その夢は、あっさり終わってしまったようだ。
あの夏。
夢を見ていたんだ。
全て夢だったことに気がついたんだ。
涼しい、爽やかな風が吹いてくるたび、切なくなった。
もうあの夢を見ることは出来ないのか。
あの夏。
馬鹿みたいにふざけて、
馬鹿みたいに言い合って、
馬鹿みたいに楽しかった、
あの夢は。
あの夢は、夢のままだ。
あの青い空。
どこまでも広がる青い空。
そこにさらに広がる入道雲。
とにかく暑い太陽。
もう、あの夢は見ることが出来ないんだ。
そう思った瞬間、僕は切なくなってしまうんだ。